応用数学 – 線形代数 – 特異値分解

最も広く使われる行列の分解方法は二つ — 固有値分解と特異値分解。

[固有値分解]
\( {\it Av} = \lambda {\it v} \)
\( {\it v} \)が固有ベクトル、\( \lambda \)が固有値。\( {\it A} \)は正方行列。

\( \Lambda \)を\( n\)個の\( \lambda \)を対角に配置した対角行列とし、\( {\it Q}\)を\( {\it A} \)の固有ベクトルから成る直交行列とすると、
\( {\it AQ} = Q\Lambda \)
であるので、右から\( Q\)の逆行列をかければ、
\( {\it A} = Q\Lambda Q^{-1} \)
となる。\( {\it A}\)をk乗する際は
\( {\it A}^k = Q\Lambda Q^{-1}Q\Lambda Q^{-1}…Q\Lambda Q^{-1} = Q\Lambda ^kQ^{-1} \)
となる。\( \Lambda \)は対角行列なのでk乗が計算しやすいため、\( {\it A}\)のk乗が比較的容易に計算できる。

[特異値分解]
任意の行列をユニタリ行列と対角行列に分解する。
\( \it{A=U\Sigma V^*} \)
\( \it{\Sigma}\)の対角成分で0でないものを特異値という。

– ユニタリ行列 : \( {\it U^* U} = {\it UU^*} = {\it I} \)
\( \it I\)は単位行列、\( {\it U^*}\)は随伴行列 (\( \it {U^*} = \it{\bar{U^T}} \))

固有値分解は正方行列のみ。特異値分解は長方行列にも定義可能。
\( \it{A} \)が対称行列であれば\( \it{A} \)の固有値と特異値は一致する。