1分だけ学ぶ。慣性力。

立場の違いで生じる力を慣性力といいます。

電車のつり革は電車が発車する時、後ろ側におっとっととなって斜めになります。

外から見ると、電車に引っ張られてつり革も一緒に進んでいくので、
力の向きは電車と同じ方向です。

次に中から見ると、つり革は進行方向と逆向きに動きますので、
力の向きは電車の方向と逆になります。

この力を慣性系といい、加速度と質量に比例する力になります。

慣性力は見かけの力ともいわれます。
非慣性系で運動方程式を作る時に慣性力を導入するからです。

慣性の法則や運動方程式が成り立つ座標系を慣性系といいます。
成り立たず、慣性力を導入しなくては力のつり合いが成り立たない座標系を
非慣性系といいます。

電車の加速が終わり、安定に走り始めると、つり革は元の位置に戻ってきます。
等速直線運動している間は慣性系となり、
慣性力は消えてつり革は元の位置に戻ります。

ちなみに円運動している時の慣性力が、遠心力です。

【物理】1分間のまたねこ物理。慣性力。\( F=-ma \)。

1分だけ学ぶ。運動方程式。

力が働くとモノが動きます。

動くという事は速さ、速度があるという事です。

止まっていたものを動かすには、モノの速度を変えればよいです。
速度がどのくらい変わるを表した量を、加速度といいます。

力が働くと加速度が発生して、モノが動きます。
これを式で書くと\( F=ma \)となります。
これを運動方程式といいます。

力は英語でforceというので\( F \)と書きます。
加速度は英語でaccelerationというので\( a \)と書きます。
質量は英語でmassというので\( m \)と書きます。

力が働くと加速度が発生する事を表しています。
力がどうして加速度の2倍や3倍、2乗や3乗ではなく、
シンプルな掛け算の形に書けるかというと、
力という量をそのように都合よく人間が決めたからです。

つまりこの式は、力が働くと加速度が生じるという意味と同時に、
“力”とは”質量”と”加速度”をかけたものに”する”という、
人が決めた、”定義”をしている、という意味も持ちます。

質量の単位は\( \rm{kg} \)、加速度の単位は\( \rm{m/s^2} \)と同じように、
力の単位は\( \rm{N} \)と書いて、ニュートンと読みます。

このように決めた力の決まり事を、MKS絶対単位系といいます。

【物理】1分間のまたねこ物理。運動方程式。\( F=ma \)。

1分だけ学ぶ。ニュートン力学。

モノを動かす時に使う力とは。

モノを動かす時は力を使います。

力は手でモノをどーんと押した時だけじゃなくて、
重力や電気の力、磁石の力、摩擦力や圧力など、いろいろな力があります。
モノが動いたり形が変わったりする時、それは力のせいだと考えます。

力は大きさと向きと、どこにかかったかという3つの要素があります。
力自体は目に見えないので、矢印で書くことにしましょう。
すると矢印の向きが力の向き、長さが大きさ、根本が力がかかる場所となって、
目で見えて分かりやすくなります。

2本の力のやじるしを同時にかけると、合成されて1本のやじるしになります。
これを合力といいます。
モノは合力の向きと大きさで力を感じます。

逆に1本のやじるしを2本に分ける事もできます。
これを力の分解といいます。

力を同じ大きさにして、向きを逆向きすると合成されて力がゼロになります。
これを力のつり合いといいます。

こんな感じである量が大きさだけでなく向きまで持っている量をベクトル量と言います。
力の他に速度や加速度、運動量などがベクトル量です。

向きがなく、大きさだけの量もあります。
質量や時間、エネルギーなどですね。これをスカラー量といいます。

ニュートン力学ではこの”力”という概念から世界のしくみを解明していきます。
“力”の概念がニュートン力学の出発点なんですね。

【物理】1分間のまたねこ物理。力。