2019年2期目のE試験 (8/31試行) が終了しました。
今回の受験者数は前回の倍近く、670名との事。
着実に注目度が上がっております。
日本はAIの領域で世界に対して後手に回っているとの事ですが、この盛り上がりが続いていくといいですね。
次回、2020年2月22日に予定されているE資格試験から、シラバスが変更となるようです。
もともと、発展速度の速いAIの領域にマッチするために、E資格試験合格といえども、何年の試験に合格したかで区別をするそうです。
という事は、出題内容も年々変わっていくのが当然であり、シラバスが改訂されるのも初めから予定されていた事、という事になります。
勉強する方としては微妙なところですが。
さて、どこが変わったのでしょうか。
応用数学には変更ありません。
2019年2期目のE資格試験の平均点はそれぞれ、応用数学72.04%、機械学習58.89%、深層学習59.69%とのことです。
応用数学は比較的難易度が低い事が分かります。
おそらくはひねった問題は出題されず、基本的な事項をしっかりとおさえておこうよ、という趣旨なのではと思います。
大変共感できます。
機械学習は下記の項目が削除されています。
最尤法推定 – 最尤法の特性
深層学習の発展を促す課題 – 局所一様と平滑化
シラバスから削除項目があるのは親切ですよね。
項目としては残しておいて、試験には出題しなければいいだけなのに。
これまで意地悪な試験ばかり受けて来た私としては、何か裏があるのではと勘ぐってしまいます。
深層学習は削除の項目と追加の項目があります。
[削除された項目]
コスト関数 – 条件付き統計量の学習
隠れユニット – その他の隠れユニット (RBF, ソフトプラス, Hard)
条件付き最適化としてのノルムペナルティ
正則化と制約不足問題
パラメータ拘束とパラメータ共有
学習と純粋な最適化の差異 – 経験損失最小化
学習と純粋な最適化の差異 – 代理損失関数と早期終了
ニューラルネットワーク最適化課題
二次手法の近似
ランダムあるいは教師なし特徴量
画像認識の有名なモデル (“深層学習の適応方法”の項へ)
画像の局在化、検知、セグメンテーション (“深層学習の適応方法”の項へ)
エコーステートネットワーク
自然言語処理とRNN
[追加された項目]
最適化戦略とメタアルゴリズム – Layer正規化
– Instance正規化
GAN – Conditionnal GAN
深層学習の適応方法 – 画像認識 – MobileNet
– 画像認識 – DenseNet
– 画像の局在化・検知・セグメンテーション – FasterR-CNN, YOLO, SSD
– 自然言語処理 – WordEmbedding, Transformer
– Text to Speech – WaveNet
– スタイル変換 – pix2pix
– その他 – AlphaGo
開発・運用環境, ミドルウェア, 軽量化, 高速化技術
– 深層学習ライブラリ
– 軽量化技術 – 量子化, 蒸留, プルーニング
– 分散処理 – モデル並列, データ並列
– アクセラレータ – GPU
あまり使われなくなった技術的要素は削除。
新しい技術は追加。
特に軽量化技術・分散処理あたりが目新しい項目という事になりますね。
これは良い。シラバスを見えれば、新しい技術として、我々が押さえておかなくてはならない技術が明瞭になります。
AIはどんどんと実用化されてきています。
モデルを個人PCやスマホにデプロイ・実装するにあたっては軽量化は必須です。
一方で私が取り組んでいるような、AIの可能性に関する研究分野においては、軽量化技術はまだまだ必要なさそうですが。。。
とは言え、最先端の技術を勉強する事で、何かヒントが見つかるかもしれません。